雲(くも)

質問しつもんの一覧

予報官からの答え

奥山さん:小学生 雲は何で作られているの?どうして雲は浮いているの?飛行機雲はどうやって作られているの?
e-予報官  雲は、空気中の水蒸気がまとまった小さい水滴のあつまりです。いくら小さな水滴 でも、空気よりは重たいので、通常は空に浮いていることはできません。
しかし、上昇気流(じょうしょうきりゅう)と呼ばれる空気の流れ(風が上に向かって吹く)が ある場合では、小さな水滴が落下することなく空気中に浮かぶことができます。
つまり、上に向かって吹く風により浮いていることになります。 当然、水滴が大きくなれば、上昇気流では浮かんでいられなくなり、雨となって 地上にふってきます。
ひかりさん:小学生 雲は、どこの方角から、どこの方角にうごくんですか。 理科の勉強で、天気のことについて調べています。教えてください。
コロコロさん:小学生 どうして雲は、西から、東へと動くのだろう。
e-予報官 雲は、上空をふく風に流されて動いていきます。 日本の上空では、ほぼ1年中偏西風という強い西風がふいているので、 上空の雲は、西から東へと動いていくのですが、 低い雲は、雲のある高さの風によって流されています。 雲のできている高さの風が、東から西へふいていれば東から西へ、 南から北へふいていれば南から北へ向かうことになります。
中谷さん:小学生 どうしてくもは、毎日うごいているんですか?。台風が、毎日動いていたので不思議に思いました。
e-予報官  台風の雲が動いているのは、台風の周りから台風の中心にむかって 吹く強い風の力によるものです。 気象衛星ひまわりで撮影された雲写真を見ると、反時計回り (時計の針とは逆の方向に回ること)で台風の中心に向かって 雲がうずを巻いているのがよくわかると思います。
 また、台風以外の雲についても、風に流されて移動していきます。
けいさん:小学生 雲の動きが早いのはどうして?
e-予報官 雲は風に流されて動くので、上空の風が強い時は、速く動いていきます。
間々田さん:40代 雲の量はどうやって測るのですか?
また雲の量はどのように決めますか?
いろいろな雲がありますが、雲の量としては同じですか?
e-予報官 目で見て測ります。 雲の量、雲量(うんりょう)は、観測する人が目で見て決めます。
空全体を10としたときの、雲のある部分の割合を0~10の整数で観測します。
雲の種類によらずまとめて、雲の量を観測します。
奥山さん:小学生 飛行機雲はどうやって作られているの?
e-予報官  飛行機雲は、上空の温度の低く湿度の高い空気中にジェット機などの温度の高い 排気ガスが放出されたときに、排気ガス中の水蒸気などが小さな水滴となって 雲ができる現象で、冬の寒い日に人間が吐く息が白く見えるのと同じことです。
当然、上空の温度や湿度、ジェット機の排気ガスの温度などにより、飛行機雲 ができるときとできないときがあります。
珠実さん:小学生 雲の名前を教えて下さい。 雲は、どうやって出来るんですか? 雲は,どういう場所に多く出て、どういう場所に、少ないんですか?
大前さん:小学生 雲はどうやって出来るんですか?
e-予報官  雲の種類は、雲の種類を知ろうで見ることができます。また、雲のでき方や、雲ができやすい場所についても雲ができるまでで見ることができます。
越智さん:40代 飛行機に乗ると雲が高さによって何層にも分かれているのが見えますが、 なぜ分かれるのですか? なぜ雲のできない空気層ができるのでしょうか?  この厚みは寒帯、温帯、熱帯と気温が変わると変わる、 つまり主に気温に大きく関係しているのでしょうか?
e-予報官 空気の湿り具合は一様ではありません。ここにある日の例を挙げてみます。 これはエマグラムと言って、大気の鉛直構造を示した図です。
エマグラム
赤線が気温、青線が露点温度を 表しています。露点温度とは空気の水蒸気量と考えても良いです。
気温は高さが増すに連れて、ほぼ一様に下がっていきますが、水蒸気は高さによって まちまちの量となっています。この二つの線が離れているほど、空気は乾いています。 こうして見ると、高さによって湿った層と、乾いた層が分離しているのがわかります。 移流や風の上昇・下降によって分離は起きます。そして、雲は主に湿った層に出現します。 雲のできない層は大気の構造で変わってきますから、熱帯と寒帯では現れ方が違うことは あり得ますが、気温に依存しているのではないようです。
新井さん:小学生 曇りはどうやって、どうして曇りになるのですか 教えてください
e-予報官 気象庁では、見える空全体を10とした時に、9~10が、雲でうまっていれば、 天気は「曇り」と決めています。 どうして曇りになるかは、どうして雲がたくさんできるのか、というのと、同じことですよね? 雲が、どうしてできるか、どういう時にできるかは 雲の出来るまでお天気アニメで せつめいしていますので、見てみてください。
中田さん:小学生 曇りの時の雲は何雲?
e-予報官 「くもり」は、雲の種類ではなく、雲の量で決まります。 雲の種類を参考にしてみてください。
おもに高いところにある雲(巻層雲(けんそうううん)、 巻積雲(けんせきうん)、巻雲(けんうん)) におおわれているときは「薄曇り(うすぐもり)」と呼ぶことがあります。
たまごΟさん:小学生 なぜ、前線があるところに雲が出来るの?
e-予報官 前線は、暖かい空気と冷たい空気がぶつかっているさかい目です。 2つの空気がぶつかると、暖かい空気は軽いので、冷たい空気の 上へ上がっていきます。すると、だんだん温度が下がり、空気の中に ふくまれていた水分が、小さな水てきや氷に変わります。 この水てきや氷が雲になるため、 前線のそばには雲ができるのです。
雲のしょうたいや、でき方などは、 こちらにアニメーションにして ありますので参考にしてみてください。
奈緒&美花さん:中学生 天気図の低気圧の位置と雲の位置にはどのような関係があるか?
e-予報官 こちらのページから「低気圧周辺の天気分布」「温暖・寒冷前線の構造」を見てください。
こちらをご覧下さい。
シーサーさん:中学生 高層雲が出ると明日の天気はどうなるんですか。
積乱雲がでると、明日の天気はどうなるんですか。
積雲ができると、明日の天気はどうなるんですか。
e-予報官 雲だけを見て、次の日の天気を予測することはできませんが、 天気がゆっくり崩れる前は高層雲の出ることは多いです。 積雲や積乱雲のできた次の日の天気にきまりはありません。
佐藤さん:小学生 雲の種類によっては雨が降りやすいと聞きますが、ただの 言い伝えなんでしょうか? せっかく16日間も雲と気温と湿度を調べていますが むだになってしまうような気がして・・・・
e-予報官  雲の種類によって雨が降りやすいものはあります。
 雨が降りやすい雲の種類は、乱層雲(らんそううん)、高層雲(こうそううん)、積乱雲(せきらんうん)、積雲(せきうん)、層雲(そううん)があります。これら雲の 種類については、雲の種類を知ろうで写真を見ることが出来ます。
 また、雲と気温と湿度を調べることは、大変よいことです。夏休み中の気温と湿度をグラフにして天気や雲の種類を書いてみると、天気が周期的に変化することや、9月に向けて気温が下がっていく様子がよくわかると思います。
竹腰さん:小学生 雨が降ったとき、雲はどうなっているのでしょうか?
e-予報官  雨が降ったときの雲の様子は複雑でいろいろあります。ここでは、「積雲(せきうん)」が1時間程度の寿命をもっていると仮定して説明します。
 雲は小さな水滴が上昇流(じょうしょうりゅう:上に向かって吹く風)により 浮いているものです。また、上昇流により地表付近の水蒸気を多く含んだ空気を 吸い込むため小さな水滴が新たに発生して水滴の密度が上がったり、 雲が大きくなっていくことがあります。
 この雲の中では、小さな水滴が増えたことと、上昇流などの 風により小さな水滴同士が衝突してひとつになり、 少しづつ水滴が大きくなっていきます。 ある程度、大きくなった水滴は、上昇流では浮かんでいられなくなり、 雨となって落下し始めます。落下中も、雲の中の小さな水滴と衝突し、 大きくなりますので雲の下のほうにいくほど、雨の粒は大きくなります。
この雨が落下するときに周りの空気を下に引っ張るので、 下降流(かこうりゅう:下に向かって吹く風)が発生します。
 この下降流により、雲の中へ上空の乾いた空気が入ってくるため 小さな水滴が蒸発することになります。そうすると新たな水滴はできなくなり、 小さな水滴がなくなれば、雲は消えてしまいます。
平田さん:小学生 巻雲の後の天気は?
e-予報官 決まった天気はありません。 ただ、天気がゆっくりくずれる前には巻雲がひろがることはあります。
宏樹さん:20代 季節によって雲の形は異なるのか
e-予報官 出やすい雲、出にくい雲というのはあります。 夏や冬は積雲・積乱雲といったモクモクとした雲が多く、 春や秋はそれ以外の雲も多く見られます。
あやみさん:中学生 春と違い秋は、朝日が雲に隠れて見えなく、夕日のときは空が360度紅く染まってきれいな気がするのですが、 季節によって雲量は違うのですか?また、雲の多い方角や高さ、時間も季節によって違うのですか?
e-予報官 あやみさんがどこの地方の方か不明ですが、秋は内陸では朝方に低い雲(層雲)が出ることが多くなります。
雲量は季節により変わります。秋と春でどちらの雲が多いかというと、これも地方により違います。
晃二郎さん:小学生 夏の雲の種類、 その雲による天気の変化をおしえてください
e-予報官 夏には、もくもくして背の高い雲をよく見ますよね? あれは、積雲(せきうん)や積乱雲(せきらんうん)と呼ばれる雲です。 夏の強いひざしによって、気温が高くなると、暖かい空気がどんどん上昇して このような雲をつくるのです。雲が大きくなっていくとかみなりが鳴ったり、 にわか雨がふったりすることもあります。だから、夏には夕立がよくあるんです。
雲の種類や写真は、こちらから見られますので参考にしてみてください。 また、雲のでき方などは、こちらでかいせつしています。
大前さん:小学生 夏に入道雲が多いのは?
e-予報官  入道雲(にゅうどうぐも)は積乱雲(せきらんうん)のことを言います。この雲 は雷雲(らいうん、かみなりぐも)とも呼ばれ、雷やはげしい雨を降らせることが あります。
 この雲が夏に多いのは、夏の強い日差しによって、地面付近の湿った空気が すごい勢いで上昇して雲になるためです。とくに蒸し暑く、風が弱い夏の日の 昼過ぎから夕方にかけてよく発生します。
木原さん:40代 入道雲というのは「積乱雲」のことなのですね?
 広島県から質問をしています・・・・・
 先日,息子と二人で広島県安芸津町(瀬戸内海沿岸)から四国の山を
 綺麗に見ました。その四国の山の向こうに入道雲が
 高く立ち上っているのが見えました。とても雄大な景色でした。
 
 夏のいい天気の日,入道雲をよく見ますがいったい
 どの位先に出来ている雲なのでしょうか?
 高さが10kmというから,その高さが見えるまでの
 距離にあるのでしょうけど,東西南北どの方向にも出ています。
 海の上に出来ているものなのでしょうか?
 も・し・・海の上にできるのであれば,北に見える入道雲は
 「日本海」の雲だし・・・。先日四国の山の向こうに見えたのは
 「太平洋」の雲ということになります・・・。息子と二人で
 「すごいなぁ」と疑問を持ちながら眺めていました。
 入道雲の出来る場所。どの位の場所まで見えるものなのか
 教えて下さい。
e-予報官 夏の良く晴れた日にできる入道雲は、たしかにすごいですね。 入道雲、つまり積乱雲(せきらんうん)の出来かたについては、 雲が出来るまででも見ることが出来ます。
入道雲は、条件によっては海の上、平地、山などどこでも発生するのです。
遠くに入道雲の全体(雲のてっぺんまで)が見えていても、
その高さ(10km~14km以上)によってみかけの大きさが変わってくるので、
なかなか目では距離を知るのはむずかしいのです。
たとえば岐阜からは、見晴らしが良い日に、雲が高く成長すると、
なんと静岡県付近にある入道雲のてっぺんが見えたりすることもあります。
ちなみに、岐阜と静岡は、約200kmはなれています。

入道雲は、レーダーでその姿を見ることができます。
レーダー画像については、こちらをご覧ください。
大きく発達したものは、赤やピンク色で表されますので、
見えている大体の方角さえ分かれば、どこにあるかがすぐに分かると思います。
上村さん:小学生 雲はなぜ白いのですか?
e-予報官 雲は、細かい氷や水の粒からできています。
雪や、ゆげを思いうかべてみてください。
どちらも白いですよね。
この白いものが集まっているので、雲の中まで太陽の光がとどくくらいの厚さなら、 白く見えることになります。反対に、雲の中まで光が届かなくなると、 灰色~黒っぽい色になります。
(無記名):中学生 雲はさわれるの?
e-予報官 おふろや、たきたてのご飯から出てくる「ゆげ」にさわったことはありますよね?
この「ゆげ」も、雲も、その正体は小さな水や氷のつぶなので、
さわることができますよ。
ただし、「雲にさわった!」という感覚はないかもしれませんが。
☆バンビ☆さん:小学生 雲は水蒸気から出来るんですよね?小さな入れ物に水蒸気を入れると雲は出来ますか? もし出来ないのならばどうやって雲を作るんですか?
e-予報官 雲は小さな入れ物でも作ることはできますが、工夫が必要です。 一番手軽なのは、ペットボトルとフィズキーパー(炭酸がぬけないようにする栓) を使うものです。
①炭酸飲料が入っていたペットボトルの中を水でぬらして、乾かさずにフィズキーパーで栓をします。
②フィズキーパーの説明書のとおりに、ペットボトルへ空気を送りこみます。
③フィズキーパーの栓をあけると、ペットボトルの中に雲ができます。

(注意)ペットボトルは、必ず炭酸用のものを使ってください。
おとなの人と一緒にやってください。

(こつ)ペットボトルは150mlより小さいものの方がうまくできます。
   フィズキーパーは、いっきに栓を開けられるものがおすすめです。
   雲が見えにくい時は、始めに線香の煙を少し入れておくと見えやすくなります。


また、雲は作らなくても、身近にたくさんあります。 たとえば、お風呂から立ち上るゆげや、やかんから出るゆげ、 暑い日に冷凍庫をあけた時に出る白っぽいけむりのようなものも、水蒸気が冷えて小さな水の粒に なったものです。もし、雲を作るのがむずかしそうだったら、 家の中にある雲をさがして観察してみてはどうでしょう?
神様さん:小学生 ひまわりって何
e-予報官 ひまわりは、日本が打ち上げた気象衛星(きしょうえいせい)の名前です。 1号の打ち上げは7月で、ちょうどひまわりの花が 咲くころだったので、この名前が付いたと言われています。 ひまわりは、地球の自転と同じように、1日で地球のまわりを1周するので、 いつも日本の上空にあって、天気予報に必要な、雲の写真などを気象庁へ送っています。 ひまわりによって、人が観測できない場所の様子も分かるようになりました。 詳しくはこちらへ。
バンダナさん:中学生 雲は地上に来るとどうなりますか??
e-予報官
霧になります。
更さん:中学生 今晩わ、夜遅くにすみません。突然ですが霧について聞きます。
1.なぜ霧が出来るのか。
2.霧はどこら辺に出来るのか。
3.霧に種類は無いのか。
変な質問でしょうか?短いですが。之にて失礼させていただきます。
e-予報官 1.空気が冷えて、もしくは湿った空気が入って、空気中の水蒸気が飽和(ほうわ)し、 それ以上含めなくなると、余った水蒸気が凝結(ぎょうけつ)し、こまかな水滴となって 漂います。この水滴のため、見通せる距離が1キロメートルをきったときを霧と呼びます。
2.霧はどこにでもできます。特に盆地や、海岸の一部で起きやすいです。ただ大都市の中心部は 湿度が低いため、霧が発生しにくい傾向があります。また南の海でも発生は少ないです。
3.こちらをごらんください。
のん子さん:中学生 霧は1日の間で約何時ぐらいが一番多いのですか? また、それはなぜですか?
e-予報官 霧の種類にもよります。 内陸や盆地でよく見られる 「放射霧」は、朝方の冷え込みによって発生しますので、 明け方あたりに最も出やすくなります。 「移流霧」も朝に多いようですが、海の影響を受けるため、 放射霧ほどはっきり傾向は出ず、日中にもしばしば発生します。
全般に霧は、気温が低く、そのぶん湿度が高い朝方に出やすい 傾向があります。 霧の種類などは、こちら をご覧ください。
カイムさん:中学生 靄(もや)と霧(きり)と 雲と霞(かすみ)のちがいは?
e-予報官 かすみは気象用語ではありませんが、 空気中に小さなちりや煙の粒などがたくさん浮かんでいて、 白っぽく見えるのをまとめて呼んでいるようです。
これに対してもやときりは、主に空気中の水蒸気が 細かい水滴となって浮かんでいる状態です。 水平視程(見通せる距離)が1㎞未満の場合をきり、 1㎞以上の時をもやと呼びます。きりについては きりの話 をご覧下さい。
雲も、 こちら にあるように、水や氷の粒でできています。