雲

雲は、空気中の水蒸気（すいじょうき）がまとまった小さい水滴（すいてき）のあつまりです。いくら小さな水滴（すいてき）でも、空気よりは重たいので、通常（つうじょう）は空にういていることはできません。

しかし、上昇気流（じょうしょうきりゅう）とよばれる空気の流れ（風が上に向かって吹（ふ）く）がある場合では、小さな水滴（すいてき）が落下することなく空気中に浮（う）かぶことができます。

つまり、上に向かって吹（ふ）く風により浮（う）いていることになります。

当然（とうぜん）、水滴（すいてき）が大きくなれば、上昇気流（じょうしょうきりゅう）では浮（う）かんでいられなくなり、雨となって地上にふってきます。

雲は、上空をふく風に流されて動いていきます。

日本の上空では、ほぼ１年中偏西風（へんせいふう）という強い西風がふいているので、上空の雲は、西から東へと動いていくのですが、低（ひく）い雲は、雲のある高さの風によって流されています。

雲のできている高さの風が、東から西へふいていれば東から西へ、南から北へふいていれば南から北へ向かうことになります。

台風の雲が動いているのは、台風の周（まわ）りから台風の中心にむかって吹（ふ）く強い風の力によるものです。

気象（きしょう）衛星（えいせい）ひまわりで撮影（さつえい）された雲写真を見ると、反時計回り（時計の針（はり）とは逆（ぎゃく）の方向に回ること）で台風の中心に向かって雲がうずを巻（ま）いているのがよくわかると思います。

また、台風以外（いがい）の雲についても、風に流されて移動（いどう）していきます。

雲は風に流されて動くので、上空の風が強い時は、速く動いていきます。

目で見て測（はか）ります。雲の量（りょう）、雲量（りょう）は、観測（かんそく）する人が目で見て決めます。

空全体を１０としたときの、雲のある部分の割合（わりあい）を０～１０の整数で観測（かんそく）します。雲の種類（しゅるい）によらずまとめて、雲の量（りょう）を観測（かんそく）します。

飛行機（ひこうき）雲は、上空の温度の低（ひく）く湿度（しつど）の高い空気中にジェット機（き）などの温度の高い排気（はいき）ガスが放出されたときに、排気（はいき）ガス中の水蒸気（すいじょうき）などが小さな水滴（すいてき）となって雲ができる現象（げんしょう）で、冬の寒い日に人間が吐（は）く息（いき）が白く見えるのと同じことです。

当然（とうぜん）、上空の温度や湿度（しつど）、ジェット機（き）の排気（はいき）ガスの温度などにより、飛行機（ひこうき）雲ができる時とできない時があります。

雲の種類（しゅるい）は、お天気教室＞雲の種類（しゅるい）で見ることができます。

また、雲のでき方や、雲ができやすい場所については、お天気教室＞雲の種類＞雲ができるまでで見ることができます。

空気の湿（しめ）り具合（ぐあい）は一様ではありません。ここにある日の例（れい）を挙（あ）げてみます。下の図はエマグラムと言って、大気の鉛直構造（えんちょくこうぞう）を示（しめ）した図です。

赤線が気温、青線が露点（ろてん）温度を表しています。露点（ろてん）温度とは空気の水蒸気（すいじょうき）量（りょう）と考えても良（よ）いです。

気温は高さが増（ま）すに連（つ）れて、ほぼ一様に下がっていきますが、水蒸気（すいじょうき）は高さによってまちまちの量（りょう）となっています。この二つの線が離（はな）れているほど、空気は乾（かわ）いています。

こうして見ると、高さによって湿（しめ）った層（そう）と、乾（かわ）いた層（そう）が分離（ぶんり）しているのがわかります。

移流（いりゅう）や風の上昇（じょうしょう）・下降（かこう）によってが分離（ぶんり）は起きます。そして、雲は主に湿（しめ）った層（そう）に出現（しゅつげん）します。

雲のできない層（そう）は大気の構造（こうぞう）で変（か）わってきますから、熱帯（ねったい）と寒帯（かんたい）では現（あらわ）れ方が違（ちが）うことはありえますが、気温に依存（いぞん）（）しているのではないようです。

気象庁（きしょうちょう）では、見える空全体を１０とした時に、９～１０が、雲でうまっていれば、天気は「曇（くも）り」と決めています。

どうして曇（くも）りになるかは、どうして雲がたくさんできるのか、というのと、同じことですよね。

雲が、どうしてできるか、どういう時にできるかは、お天気教室＞雲の種類＞雲の出来るまでやお天気教室＞お天気アニメでせつめいしていますので、見てみてください。

「くもり」は、雲の種類（しゅるい）ではなく、雲の量（りょう）で決まります。雲の種類（しゅるい）を参考（さんこう）にしてみてください。

おもに高いところにある雲（巻層雲（けんそうううん）、巻積雲（けんせきうん）、巻雲（けんうん））におおわれているときは「薄曇（うすぐも）り」とよぶことがあります。

前線は、暖（あたた）かい空気と冷（つめ）たい空気がぶつかっているさかい目です。

２つの空気がぶつかると、暖（あたた）かい空気は軽いので、冷（つめ）たい空気の上へ上がっていきます。

すると、だんだん温度が下がり、空気の中にふくまれていた水分が、小さな水てきや氷に変（か）わります。

この水てきや氷が雲になるため、前線のそばには雲ができるのです。

雲のしょうたいや、でき方などは、お天気教室＞お天気アニメにせつめいがありますのでみてください。

お天気教室＞天気図の見方＞低気圧（ていきあつ）内の天気や温暖（おんだん）前線の構造（こうぞう）、寒冷（かんれい）前線の構造（こうぞう）で説明（せつめい）していますので、そちらを見てください。

雲だけを見て、次の日の天気を予測（よそく）することはできませんが、天気がゆっくり崩（くず）れる前は高層雲（こうそううん）が出ることは多いです。

積雲（せきうん）や積乱雲（せきらんうん）のできた次の日の天気にきまりはありません。

雲の種類（しゅるい）によって雨が降（ふ）りやすいものはあります。

雨が降（ふ）りやすい雲の種類（しゅるい）は、乱層雲（らんそううん）、高層雲（こうそううん）、積乱雲（せきらんうん）、積雲（せきうん）、層雲（そううん）があります。

　これら雲の種類（しゅるい）については、お天気教室＞雲の種類（しゅるい）で写真を見ることが出来ます。

　また、雲と気温と湿度（しつど）を調べることは、大変（たいへん）よいことです。夏休み中の気温と湿度（しつど）をグラフにして天気や雲の種類（しゅるい）を書いてみると、天気が周期的（しゅうきてき）に変化（へんか）することや、９月に向けて気温が下がっていく様子がよくわかると思います。

雨が降（ふ）ったときの雲の様子は複雑（ふくざつ）でいろいろあります。 ここでは、「積雲（せきうん）」が１時間程度（ていど）の寿命（じゅみょう）をもっていると仮定（かてい）して説明（せつめい）します。

　雲は小さな水滴（すいてき）が上昇（じょうしょう）流（上に向かって吹（ふ）く風）により浮（う）いているものです。 また、上昇（じょうしょう）流により地表付近（ふきん）の水蒸気（すいじょうき）を多く含（ふく）んだ空気を吸（す）い込（こ）むため小さな水滴（すいてき）が新たに発生して水滴（すいてき）の密度（みつど）が上がったり、雲が大きくなっていくことがあります。

この雲の中では、小さな水滴（すいてき）が増（ふ）えたことと、上昇（じょうしょう）流などの風により小さな水滴（すいてき）同士（どうし）が衝突（しょうとつ）してひとつになり、少しづつ水滴（すいてき）が大きくなっていきます。

ある程度（ていど）、大きくなった水滴（すいてき）は、上昇（じょうしょう）流では浮（う）かんでいられなくなり、雨となって落下し始めます。 落下中も、雲の中の小さな水滴（すいてき）と衝突（しょうとつ）し、大きくなりますので雲の下のほうにいくほど、雨の粒（つぶ）は大きくなります。

　この雨が落下するときに周（まわ）りの空気を下に引っぱるので、下降（かこう）流（下に向かって吹（ふ）く風）が発生します。

　この下降（かこう）流により、雲の中へ上空の乾（かわ）いた空気が入ってくるため小さな水滴（すいてき）が蒸発（じょうはつ）することになります。 そうすると新たな水滴（すいてき）はできなくなり、小さな水滴（すいてき）がなくなれば、雲は消えてしまいます。

決まった天気はありません。 ただ、天気がゆっくりくずれる前には巻雲（けんうん）が広がることはあります。

出やすい雲、出にくい雲というのはあります。 夏や冬は積雲（せきうん）・積乱雲（せきらんうん）といったモクモクとした雲が多く、 春や秋はそれ以外（いがい）の雲も多く見られます。

あやみさんがどこの地方の方か不明ですが、秋は内陸（ないりく）では朝方に低（ひく）い雲（層（そう）雲）が出ることが多くなります。

雲量（りょう）は季節（きせつ）により変（か）わります。秋と春でどちらの雲が多いかというと、これも地方により違（ちが）います。

夏には、もくもくして背（せ）の高い雲をよく見ますよね？ あれは、積雲（せきうん）や積乱雲（せきらんうん）とよばれる雲です。 夏の強いひざしによって、気温が高くなると、暖（あたた）かい空気がどんどん上昇（じょうしょう）してこのような雲をつくるのです。雲が大きくなっていくとかみなりが鳴ったり、にわか雨がふったりすることもあります。だから、夏には夕立がよくあるんです。

雲の種類（しゅるい）や写真は、お天気教室＞雲の種類から見られますので参考（さんこう）にしてみてください。 また、雲のでき方などは、お天気教室＞雲の種類＞雲ができるまでで解説（かいせつ）しています。

入道雲（にゅうどうぐも）は積乱雲（せきらんうん）のことを言います。 この雲は雷雲（らいうん、かみなりぐも）ともよばれ、雷（かみなり）やはげしい雨を降（ふ）らせることがあります。

この雲が夏に多いのは、夏の強い日差（ひざ）しによって、地面付近（ふきん）の湿（しめ）った空気がすごい勢（いきお）いで上昇（じょうしょう）して雲になるためです。とくに蒸（む）し暑く、風が弱い夏の日の昼過（ひるす）ぎから夕方にかけてよく発生します。

夏の良（よ）く晴れた日にできる入道雲（にゅうどうぐも）は、たしかにすごいですね。

入道雲（にゅうどうぐも）、つまり積乱雲（せきらんうん）の出来方については、お天気教室＞雲の種類＞雲が出来るまでのページで説明（せつめい）しています。

入道雲（にゅうどうぐも）は、条件（じょうけん）によっては海の上、平地、山などどこでも発生するのです。

遠くに入道雲（にゅうどうぐも）の全体（雲のてっぺんまで）が見えていても、その高さ（１０ｋｍ～１４ｋｍ以上（いじょう））によってみかけの大きさが変（か）わってくるので、なかなか目では距離（きょり）を知るのはむずかしいのです。

たとえば岐阜からは、見晴らしが良（よ）い日に、雲が高く成長（せいちょう）すると、なんと静岡県付近（ふきん）にある入道雲（にゅうどうぐも）のてっぺんが見えたりすることもあります。

ちなみに、岐阜と静岡は、約（やく）２００ｋｍはなれています。

入道雲（にゅうどうぐも）は、レーダーでその姿（すがた）を見ることができます。

レーダー画像（がぞう）については、お天気情報＞レーダーで雨の様子を見てみようをご覧（らん）ください。

大きく発達（はったつ）したものは、赤やピンク色で表されますので、見えている大体の方角さえ分かれば、どこにあるかがすぐに分かると思います。

雲は、細かい氷や水の粒（つぶ）からできています。

雪や、ゆげを思いうかべてみてください。どちらも白いですよね。

この白いものが集まっているので、雲の中まで太陽の光がとどくくらいの厚（あつ）さなら、白く見えることになります。

反対に、雲の中まで光が届（とど）かなくなると、灰色～黒っぽい色になります。

おふろや、たきたてのご飯（はん）から出てくる「ゆげ」にさわったことはありますよね？この「ゆげ」も、雲も、その正体は小さな水や氷のつぶなので、さわることができますよ。

ただし、「雲にさわった！」という感覚（かんかく）はないかもしれませんが。

雲は小さな入れ物でも作ることはできますが、工夫が必要（ひつよう）です。一番手軽なのは、ペットボトルとフィズキーパー(炭酸（たんさん）がぬけないようにする栓（せん））を使うものです。

1. 炭酸（たんさん）飲料が入っていたペットボトルの中を水でぬらして、乾（かわ）かさずにフィズキーパーで栓（せん）をします。
2. フィズキーパーの説明（せつめい）書のとおりに、ペットボトルへ空気を送りこみます。
3. フィズキーパーの栓（せん）をあけると、ペットボトルの中に雲ができます。

【注意】

• ペットボトルは、必ず炭酸（たんさん）用のものを使ってください。
• おとなの人と一緒（いっしょ）にやってください。

【こつ】

• ペットボトルは150mlより小さいものの方がうまくできます。
• フィズキーパーは、いっきに栓（せん）を開けられるものがおすすめです。
• 雲が見えにくい時は、始めに線香（せんこう）の煙（けむり）を少し入れておくと見えやすくなります。

雲は作らなくても、身近にたくさんあります。たとえば、お風呂から立ち上るゆげや、やかんから出るゆげ、暑い日に冷凍庫（れいとうこ）をあけた時に出る白っぽいけむりのようなものも、水蒸気（すいじょうき）が冷（ひ）えて小さな水の粒（つぶ）になったものです。

もし、雲を作るのがむずかしそうだったら、家の中にある雲をさがして観察（かんさつ）してみてはどうでしょう？

ひまわりは、日本が打ち上げた気象（きしょう）衛星（えいせい）の名前です。

いつも地球を見つめていることを、 天気に関係（かんけい）する衛星（えいせい）ということで太陽をイメージさせる名前がふさわしいということから「ひまわり」と名づけられました。

ひまわりは、地球の自転と同じように、1日で地球のまわりを1周（しゅう）するので、いつも日本の上空にあって、天気予報（よほう）に必要（ひつよう）な、雲の写真などを気象庁（きしょうちょう）へ送っています。

ひまわりによって、人が観測（かんそく）できない場所の様子も分かるようになりました。

くわしくは気象庁（きしょうちょう）ホームページの気象観測・気象衛星のページをごらんください。

霧（きり）になります。

１．のこたえ。空気が冷（ひ）えて、もしくは湿（しめ）った空気が入って、空気中の水蒸気（すいじょうき）が飽和（ほうわ）し、それ以上（いじょう）含（ふく）めなくなると、あまった水蒸気（すいじょうき）が凝結（ぎょうけつ）し、こまかな水滴（すいてき）となって漂（ただよ）います。この水滴（すいてき）のため、見通せる距離（きょり）が１キロメートルをきったときを霧（きり）とよびます。

２．のこたえ。霧（きり）はどこにでもできます。特（とく）に盆地（ぼんち）や、海岸の一部で発生しやすいです。ただ大都市の中心部は湿度（しつど）が低（ひく）いため、霧（きり）が発生しにくい傾向（けいこう）があります。また南の海でも発生は少ないです。

３．のこたえ。お天気教室＞季節の話題＞霧の話をごらんください。

霧（きり）の種類（しゅるい）にもよります。

内陸（ないりく）や盆地（ぼんち）でよく見られる「放射霧（ほうしゃぎり）」は、朝方の冷（ひ）え込（こ）みによって発生しますので、明け方あたりに最（もっと）も出やすくなります。 「移流霧（いりゅうぎり）」も朝に多いようですが、海の影響（えいきょう）を受けるため、放射霧（ほうしゃぎり）ほどはっきり傾向（けいこう）は出ず、日中にもしばしば発生します。

全般（ぜんぱん）に霧（きり）は、気温が低（ひく）く、そのぶん湿度（しつど）が高い朝方に出やすい 傾向（けいこう）があります。

霧（きり）の種類（しゅるい）などは、お天気教室＞季節の話題＞霧（きり）の話のページをみてください。

かすみは気象（きしょう）用語ではありませんが、空気中に小さなちりや煙（けむり）の粒（つぶ）などがたくさん浮（う）かんでいて、白っぽく見えるのをまとめてよんでいるようです。

これに対してもやと霧（きり）は、主に空気中の水蒸気（すいじょうき）が細かい水滴（すいてき）となって浮（う）かんでいる状態（じょうたい）です。

水平視程（してい）（見通せる距離（きょり））が１㎞未満（みまん）の場合を霧（きり）、１㎞以上（いじょう）、10km未満（みまん）の時をもやとよびます。

霧（きり）については、お天気教室＞季節の話題＞霧（きり）の話のページを見て下さい。

雲も、水や氷の粒（つぶ）でできています。くわしくは、お天気教室＞雲の種類＞雲ができるまでのページを見てください。