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私たちのまわりには,さまざまな焼き物があります。毎日食卓で使う食器を始め,花瓶や置物などの装飾品,タイルなどの建築資材という従来から普及している焼き物から,電子部品やファインセラミックス製品など,さまざまな分野で焼き物が使われ必要とされています。
私たちの住んでいる岐阜県の東濃地方では,飲食器を中心に多種多様な焼き物を作っています。それらを総称して「美濃焼」と呼んでいます。美濃焼の歴史は古く,今から1300年前までさかのぼることができます。今日に至るまで,長い歴史に支えられた技術により全国的な生産地として有名です。日常生活の中で何気なく使われ,知らないうちに生活の中でとけ込んでいる焼き物,それが「美濃焼」です。
しかし,原料が少なくなってきていることや海外から安い製品が輸入されてきている現状があり,窯業では,最近二つの新しい動きがあります。
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一つはリサイクル食器の普及促進です。家庭で使用された製品を産地に送り,砕いて成分比で20〜30%使用し,新しい製品として出荷しています。値段は普通の製品と同じです。「地球環境の保全」が大きな課題となっていて,飲食器の製品が日本グッドデザイン賞を受賞しました。そして今どんどん普及しています。
二つめはファインセラミックスの普及促進です。「ファインセラミックスの製品とは,原料としてケイ石やアルミナなどの中の成分を人工的に精選し,それらを配合して作られた製品です。」
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例えば半導体や自動車部品,携帯電話やテレビ,ロケットの部品などがあります。
岐阜県では昭和56年からファインセラミックス製品の研究が始まり,岐阜県の研究機関や大学,企業などが協力して研究を進めてきました。その普及を図るために,岐阜県陶磁器工業協同組合連合会では昭和57年陶磁器生産地に先がけてニューセラミック開発部会を組織し,ファインセラミックスの研究と商品開発を実施して現在も続けられいます。そして,企業向けに講習会や展示会も何回か行ってきました。また東濃地方では, 多治見,土岐,瑞浪市それぞれが陶磁器の研究所をもち,地域の企業の支援組織として陶磁器業界のレベルアップを図るために活動してきました。昭和40年から飲食器生産の機械化が進められ, 近代窯業機械展も「安い, よい, 速い」をスローガンに24回開催され,地場産業の振興と技術の向上に大きく貢献してきました。必要とされる工業製品は時代によって変わってくるので,人が必要とする製品を作るため,県の研究所や企業が協力して,時代のニーズにあった製品を作るように努力を重ねています。そして新素材の開発は21世紀の産業界を大きくリードすると言われているので,日本独自の次世代産業を構築するため,新素材の開発を積極的に行っています。 |
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