こと座
おりひめ星

 すばらしい声をもち、たて琴をひいたらだれにも負けなかったオルフェウス。かれのたて琴を空にかけたのが、こと座の星たちです。1等星ベガの中国名は「織女」で、はたおりの娘を意味し、日本名は「おりひめ」です。
 天の川をはさんでベガと向かい合って輝いているのが、わし座のアルタイルで、中国名「牽牛」日本名「ひこぼし」です。
 おりひめ、ひこぼしといえば七夕の星です。7月7日は、1月7日、3月3日、5月5日、9月9日と合わせて五節句と呼ばれ、古来この日には神に食物を供えお祝いをする行事が行われてきました。七夕とは棚をつけた機の意味です。これに中国から伝わった牽牛・織女の物語が結びつき、1年に1度おりひめにあやかって、裁縫やその他の技術の上達を願う行事となりました。五色の短冊に願いごとを書き入れ、ささに結んで遊ぶ風習は江戸時代のなかばごろから始まりました。

旧暦7月7日と今の暦
’89年 8月8日
’90年 8月26日
’91年 8月16日
’92年 8月5日
’93年 8月24日
’94年 8月13日
’95年 8月3日
’96年 8月20日
’97年 8月9日
’98年 8月26日
’99年 8月17日
2000年 8月6日
七夕の星は8月の空で

 今のこよみ(太陽暦)は太陽の1年の動きをもとにしてつくられていますが、昔のこよみ(太陰暦)は月の満ち欠けが一めぐりする日数をもとにしてつくられていました。
 昔のこよみの7月7日は、今の7月末から8月末にあたり、七夕の星はほとんど頭の真上にきていました。しかし、今の7月7日では日本の大部分はまだ梅雨が終わっておらず、かんじんの七夕の星が宵の空ではまだ東の空低くにしか見えません。七夕の星たちをむかえるには8月の夜空の方がいいのです。


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