アンドロメダ座
エチオピア王家の星

 四角形を升に見立てたとき、升からのびた柄にあたる星の並びがアンドロメダ座の目印です。
 神話のアンドロメダは、古代エチオピアの国王ケフェウスの娘です。お妃である母カシオペヤが「私は海の妖精たちより美しい。」と自慢したため海の神が怒り、アンドロメダは化けくじら(くじら座)の生けにえとしてささげられることになってしまいました。あわや化けくじらのえじきとなろうとしたとき、英雄ペルセウスが空からペガススにまたがりやってきて、みごと化けくじらを退治しました。その後、アンドロメダはペルセウスと結婚し幸せに暮らしたと伝えられています。
 アンドロメダ、カシオペヤ、ケフェウス、ペルセウスの4星座は「エチオピア王家の星」と呼ばれ、夜空を舞台に繰り広げられるこの物語が、さみしい秋の星空を見る楽しさを増してくれます。

銀河
アンドロメダ銀河

 アンドロメダ座のβ星の北にあるν星のすぐ横に、空気が澄み、空の暗いところなら、かすかに光のしみのようなものを見ることができます。これが、アンドロメダ銀河と呼ばれる天体です。倍率が7倍程度の双眼鏡を使えば街中からでも姿を認めることができます。
 私たちの銀河系(→P17)のように、無数の星、さまざまな星雲・星団をしたがえた巨大な1つの天体を「銀河」といいます。この宇宙には1000億から2000億もの銀河があるといわれています。
 アンドロメダ銀河は、無数のそんな銀河の中の1つで、大きさは約15万光年、3000億から4000億個の星の大集団です。銀河系のとなりにある銀河で、北半球から肉眼で見えるただ1つの銀河系外の天体です。しかし、となりといっても地球から約210万光年離れたところにあり、私たちが現在目にしている光は210万年も昔、人類の祖先がやっと地球上に現われたころにアンドロメダ銀河を出発した光なのです。


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