おうし座
ヨーロッパ

 昔、地中海の海岸線沿いにフェニキアの国があり国王にはエウロパという美しい娘がいました。
 ある日、エウロパがお供の女たちと海岸で遊んでいると、沖から雪のように白い牡牛がやってきました。それがあまりに美しく、おとなしそうだったので、エウロパはつい気をゆるして背中に乗ってみました。すると牛はたちまち身をおこして海へ走り込み、どんどん沖に向かって行きました。おどろくエウロパに牛は、「わしは大神ゼウスだ。おまえをよめにする。」と言いながら、海を渡ってある海岸まで行きました。
 エウロパはその陸地に初めてやってきた人間だというので、その陸地は王女にちなんでヨーロッパと呼ばれるとうになりました。

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羽子板星
すばる

 おうしの肩の位置に、3〜5等の星が身を寄せ合うようにして輝いています。この星たちを日本では古くから「すばる」と呼び、親しんできました。すばるの名は、大和時代の玉かざり「すまるの玉」からきており、いくつかの玉(宝石)がひもで結ばれた美しい形を見立てたものです。平安時代の女流作家、清少納言は枕草子とういう本の中で「星はすばる、ひこぼし、明星、・・・」と書き美しい星の代表にあげています。すばるの他に、「羽子板星」「六連星」など50近い呼び名が日本のあちこちに残っています。
 1等星アルデバランはアラビア語で「後に続くもの」の意味があります。すばるの後から東の地平線上に顔を出すので、この名がつけられました。おもしろいことにアラビアから遠く離れた日本でもアルデバランのことを「すばるのあとぼし」と呼んだ地方がありました。このように、すばるは古くから人々の心をとらえてきたのです。


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