星座を写そう 
固定撮影

 一番簡単に星座を写すことが出来るのが固定撮影です。三脚にカメラをすえ、シャッターを適当な時間開いておけばいいのです。フィルムはISO100か400を使いましょう。
 広角か標準レンズの付いたカメラを三脚などにしっかり固定します。シャッターボタンにレリーズを取り付け、カメラを目標の天体に向け、レンズの距離目盛を無限大(∞)に合わせます。時間を確認し、レンズの前に黒紙を置いて静かにシャッターを切ります。レリーズなどの揺れがおさまってから、もう一度時間を確認して黒紙をはずします。これでフィルムに星の光が蓄積されていきます。時間がきたら黒紙でレンズをおおい、シャッターをもどします。天体写真を撮影することができました。

露出時間

 ではどれくらいシャッターを開けておけばいいのでしょう。
 星は地球が自転しているせいで、1時間に角度で15度、東から西へ動いていきます。そして1日でほぼ1周するのですが、このため、シャッターを開いている時間によって写り方が違ってきます。20秒くらいならほとんど動きがわからずに星が点像で写りますが、1分ならやや線を引き、1時間もするとかなり長い線になります。ですから、星座の形がわかるようにするには1〜2分にとどめておきます。

絞り

 レンズの絞りは、シャッターを開いている時間によって違いますが、1分までなら開放か1段しぼり、何時間も露出する場合には5.6や8くらいにします。レンズの特性で絞りをしぼったほうが星の像が引きしまるのですが、あまりしぼると星が暗くなってしまいますから写りが悪くなります。短時間の露出ならあまりしぼらない方がいいのですが、長時間露出の場合は、開放だとフィルム全体に光が当たったようになってしまいます。夜空は暗いように見えても、空中に漂っているチリが街灯などの光を反射したりしてずいぶん明るいのです。町中で星が見にくいのはこのためです。これを天文の世界では光害と呼んでいます。ですから、長時間露出のうちに光害にフィルムが反応して、せっかくの星がいらない光にうもれてしまうのですね。これをフィルムがかぶるといいます。そこで山の中のような空の暗い所ならいいのですが、皆さんの家のあたりからなら、ある程度しぼって撮影しましょう。


30秒露出

3分露出

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