星の色

 人間は暗いものの色を感じるのが苦手で、星の色はあまりよくわかりません。1等星くらいの明るい星なら比べると違いがわかりますが、実際には暗い星もとてもカラフルなのです。カラーフィルムを使うとこの星の色をみごとに写しとれます。ガイド撮影ではかえって明るい星は色がとんで白くなってしまいますので、固定撮影がいいでしょう。オリオン座では赤いベテルギウスと白いリゲル、青白い三ツ星にピンクのオリオン座大星雲とためいきが出るくらいのカラフルさです。表紙の写真をごらんください。

 

撮影時期と場所

 星が出てさえいればいつでもどこでもかまわないのですが、できるだけ条件のいい時期・場所を選びましょう。条件のいいというのは夜空が暗いということです。日没直後や日の出直前は空に明るさがあるため、また真夜中でも満月近い月があると空が薄明るくなってしまい撮影にはむきません。季節は秋や冬が空気が澄んでいていいでしょう。場所は町から遠く離れた山の中で、足元も見えないような暗い所がいいのですが、皆さんの近くではむずかしいかもしれません。そこで、街灯などの照明の少ない所、あるいはビルの屋上を選びましょう。また、同じ場所でも深夜過ぎの方が照明が消え、空も澄んできます。

豆知識・光害

 今市街地では人口の燈火があふれ、見られる星の数は数えるほどしかありません。その光は天文の公害である光害(こうがい)とも呼ばれています。現在のところ、夜の照明の規制はありませんが、騒音や排気ガスのようにいずれ制限しなければならないでしょう。「満月よりも強い照明は生態系に影響を及ぼす」との報告もあり、省エネルギーの観点からも、これは天文だけでなく地球環境の問題と考える必要がありそうです。


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