星雲・星団を写そう 
 夜空にはきらきら輝く星だけではなく、ぼんやり雲のように見える星雲・星団もあります。ただし、暗いために双眼鏡や望遠鏡でははっきり確認することができません。ところがカメラで長時間の露出をすると、かすかな光がフィルムに蓄積されて肉眼では見られない姿が浮かび上がります。
 星雲には散光星雲、惑星状星雲、暗黒星雲があります。散光星雲は、水素などの星間物質が近くにある星によって輝いているもので、オリオン座大星雲が有名です。カラー写真では赤い色で写るものが多く、これは水素ガスが発する特有の色です。惑星状星雲は、望遠鏡では惑星のように小さな円盤状に見える天体で、年老いた星がまわりにガスを吹き出し、中心の星によってこのガスが輝いている天体です。代表的なのはこと座のリング星雲です。暗黒星雲は、星間物質のかたまりが背後の星や散光星雲をさえぎってそこだけ黒く見える天体で、オリオン座の馬頭星雲などがあります。
 星団には散開星団、球状星団があります。散開星団は、数十個から数千個の星の集団で銀河系の中にあります。日本では「すばる」と呼ばれるプレアデス星団は130個ほどの星が集まっています。球状星団は、数万から数十万個の星がボールのような形に集まっている天体で、銀河系のまわりに分布しています。散開星団は若い星の集まり、球状星団は年老いた星の集まりとも考えられています。
 このほかに、私たちの銀河系と同じような銀河もあります。銀河を系外星雲とか小宇宙、島宇宙と呼ぶこともあります。アンドロメダ座銀河はおとなりの銀河です。
 このような星雲・星団は見かけの大きさが小さくて標準レンズではかすかにしか写りません。ですから望遠レンズや望遠鏡の直焦点方式を使いますが、対象が暗いためレンズのF値の小さなものが向いています。フィルムは高感度のものを使い、ガイドをしながら数分以上の露出をします。

スバル

アンドロメダ座銀河

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