使い捨てカメラとも呼ばれるインスタントカメラでも星座を写せます。ただし、少しだけ改造しなくてはなりません。このカメラは通常はF値が約11、シャッタースピードは100分の1で、フィルムはISO400の感度のものが使われています。レンズが暗いために明るい星しか写りませんが、それでも星座の形くらいはわかりますし、夕焼けの中に輝く月や金星はきれいに撮影できます。また、月ならコリメート方式で撮影できて、これなら改造する必要はありません。もしフィルムが余っていたらやってみましょう。ただし、フラッシュの付いたカメラもありますが、その場合は感電する恐れがありますので改造は絶対にやめてください。
星座を撮影する場合は、シャッターが開き放しになるように改造しましょう。シャッターの役割をしている板を取り除いてしまうのです。
まず、不必要なものを1枚撮影してフィルムを巻上げます。これをしないと前回に写した写真が改造のときにだめになってしまうからです。フィルムは、写した後はパトローネという容器に巻き込まれますから、それより前に撮影したものは安全です。
薄暗いところでカメラを包む厚紙を取りのぞき、カメラの表カバーをはずします。ツメの部分をマイナスドライバーなどでこじれば取ることができます。そしてプラスチックのレンズを押さえている板もはずすと、そのうしろには舌の形をした金属のシャッターがあります。このシャッターをバネといっしょに取り除くとシャッターが開放状態になります。フィルムに光が当たり続けるわけです。レンズ押さえやレンズ、表カバーをもとどおりにもどし、これ以上光が入らないようにレンズの前を黒紙でおおっておきます。テープで張りつければいいでしょう。これで改造は終わりです。実際に撮影するときには、どこかへ固定する必要があります。三脚にテープなどで固定する方法が簡単ですが、自分なりにくふうしてみましょう。
さあ撮影です。カメラを星座に向けます。黒紙がレンズをおおっていることを確認してからシャッターボタンを押して1枚フィルムを巻き上げ、そっと黒紙をはずすと露出開始となって、フィルムに星の光が蓄積されていきます。夕空の月や金星なら数秒、星座なら30秒から数分間の露出を与え、時間になったらそっと黒紙でレンズをおおい、露出を中止します。これで天体を撮影できました。できれば露出時間を変えて何枚も撮りましょう。赤道儀に乗せてガイド撮影もできますが、長時間かけてもそれほど写りはよくならないようです。 |