マンボ掘のおじさんの話

 マンボの横穴は、崩れないように、かがんでやっと通れるくらいの狭い穴にしました。それで、掘る道具も柄の短い鍬やつるはしを使い、ひざあてをして、膝をつきながら掘りました。体をちぢめながらの仕事はとてもつらく、水が落ちるところでは、体がぬれてとても寒かったです。


カンテラ ところどころカンテラで明かりをともして、掘り進めました。掘っている間に土が上から落ちてきて、生き埋めになった人もいました。命がけの作業なので、いつも土のようすに気を配り、少しでも崩れ始めたら、すぐに外に出るようにしていました。とくに天井から水の落ちるところは、崩れやすくて危険でした。

 

 まっすぐ掘っていても、途中で大きな石があると、その石をまわりこむように掘らなくてはなりませんでした。石が多いと交代で1日掘っても1メートルしか進めない日もありました。そのため一本できあがるまでに、5年かかることもありました。