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その歴史の中で随分悩んできました。
その悩みを引き起こした最も有名な話が,紀元前にゼノンが提唱した逆説でしょう。
| 『ゼノンの逆説』より 
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「アキレスは永遠に亀を追い越せない。」
 アキレスと亀が競走をする。亀は遅いのでアキレスの前方から出発する。
 アキレスが亀の出発地点まで行く間に,亀は少し前へ出ている。前へ出た
亀の位置まで行く間に,亀はさらに少し前へ出る。・・・・・・
 この状況はいつ<まで経っても変わらない。従って,アキレスは永遠に亀を追い越せない。
 
「飛んでいる矢は止まっている。」
 なぜなら,時間の一瞬には,矢は位置を変えない。
 時間が一瞬の集まりなら,どの一瞬にも静止している矢は,その時間全体においても静止しているからである。
 従って,飛んでいる矢は止まっている。
 
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これらゼノンの逆説(パラドックス)は明らかにおかしいですが,どこがおかしいのかを明確に
答えられるようになったのは,何と18世紀ごろになって微分積分学が芽生え始めてからであり、人類はなんと千数百年間も悩み続けたのです。
さて,この逆説の中にあるように,「永遠に」とか「瞬間」といった概念を正しく理解するには,極限の概念をはっきりさせなければなりません。そこで,ここでは極限や無限についてのいくつかの話題を展示しました。
ごゆっくりご鑑賞下さい。
教員への専門的技術情報
【アニメーションの作成について】
- 方法1
    - 《セル画》・・・・・・・・Mathematicaにより作成した。
    - 《アニメーション化》・・・上記のセル画を、フリーソフトによりgifアニメ化した。
    
 
- 方法2
  - Flash によるアニメーション化