還元糖の定量(ベルトラン法)
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原理
 糖質のうち還元糖の定量法は、一般にベルトラン法が行なわれている。
この方法は、フェーリング溶液中のCu2+のうち還元糖によって、 Cu+に還元された銅の量を測定することで、還元糖の量を判定する 方法である。

1. フェーリング液を還元糖をとともに加熱すると、 Cu2+は糖によって還元されてCuOの赤色沈殿となる。 この反応反応式)は化学量論的には進行しないが、反応条件を定めれば生成するCuO量は還元糖の量によってきまる。 ベルトラン法糖定量表:Cu量−糖量
2. 生成したCuOをFe(SO溶液 (Feは3価のFe3+)に溶かすと、還元されてFeSO(Feは2価のFe2+)となる。 (反応式
3. このFeSOをKMnO標準溶液で滴定することによって、還元糖と反応したCu量を求める。 (反応式
4. 滴定のときKMnO2molは FeSO10molとちょうど反応し、 この10molのFeSO CuO5molによって生成することが反応式からわかる。
つまり、滴定時のKMnO1mol分は、 最初のCuO2.5molに相当することがわかる。
5. 実際には、あらかじめ滴定に使う KMnO標準溶液1ml当りのCu相当量を、 最純Na 基準物質に用いて求めておく。
すなわち、KMnO硫酸酸性下で Na 反応式(5)のように反応する。
このとき、Na5molは KMnO2molとちょうど反応し、 KMnO2molは、 CuO5molに相当するので、 Na1mol (134.00g)は CuO1mol (このときのCuの重量は63.55×2=127.1g)に相当する。
 いま、 Naを Ag精秤して滴定を行ったときに、滴下した KMnO溶液が mlのならば、 このKMnO溶液1mlのCu相当量は 別紙のによって求められる。
6. 実験試料を滴定したときの KMnO溶液/の滴下量が mlならば、還元糖と反応したCu量KMnO溶液1mlのCu量×Vとなる。
 このようにして、求められたCu量から、 ベルトラン法糖定量表:Cu量−糖量を使って還元糖の量を決定する。
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