還元糖の定量(ベルトラン法)
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果汁中の糖分の定量

概要

果汁などの食品中に存在しているたんぱく質やアミノ酸はフェーリング反応 (還元糖によるCu2+の還元)を阻害するので、 果汁中の糖分をベルトラン法によって測定する場合には、最初に阻害物質を除去する必要がある。
 また、果汁中には還元糖と非還元糖が混在しているので、まず、果汁を二分し一方で遊離の還元糖(ぶどう糖、果糖など)を 定量し、他方では加水分解してから転化糖の定量を行う。
 この場合、最初に得られた遊離還元糖の量がAg、加水分解して得た転化糖量がBgとすると、 Bgのなかには元々の還元糖Agも含まれるので、しょ糖などが加水分解されて生成した 転化糖の量は(B−A)gとなり、もとのしょ糖は(B−A)×0.95gとなる。

果汁の前処理(たんぱく質除去)

1.試薬
飽和中性酢酸鉛溶液(約30%)

無水炭酸ナトリウム粉末

2.器具
三角フラスコ:200〜300ml容

ロート・ろ紙
メスフラスコ:250ml容

 

操 作
1.前もって予備試験を行い、試料溶液5ml中に還元糖として0.2〜0.8gの糖を 含むように調整しておく。

2.試料溶液を正確に5ml分取しメスフラスコに入れ、蒸留水100mlを加える。

3.飽和中性酢酸鉛溶液を少しずつかき混ぜながら、新たな沈殿が生じなくなるまで加える。 添加量は2mlぐらいまで。
※ たんぱく質は重金属塩(酢酸鉛)の作用で沈殿する。

4.15〜20分間放置して、沈殿を生成させる。

5.250mlに定容する。

6.ろ過して沈殿を除く。

7.ろ液に無水炭酸ナトリウム粉末を少しずつかき混ぜながら、新たな沈殿が生じなくなるまで加える。
※ 過剰な鉛が炭酸鉛として沈殿する。

8.ろ過して炭酸鉛と除く。
 → 希釈試料液…これをベルトラン法に用いる。

実験の流れ図

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